【相談例】 妊娠・出産
おなかの子どものために、学資保険を検討しています。また、この機に加入中の保険も見直したいです。
- 相談者
- 男性(33歳)会社員/年収470万円/非喫煙者
- 加入中の保険
-
・夫:養老保険:20,000円/月
終身医療保険:5,000円/月
がん保険:3,000円/月
・妻:更新型定期保険:3,000円/月
定期医療保険:1,000円/月 がん保険:1,500円/月 - 相談したいこと
-
・子どものために学資保険を検討中
・掛け捨ての保険が多く、保険料がもったいないと感じている
教育資金は学資保険より「終身保険の10年短期払い」がお得?
ファイナンシャルプランナー
ご懐妊おめでとうございます!学資保険の加入もお考えとのこと、素晴らしいですね。
じつは最近、教育資金の準備には学資保険より終身保険を活用するケースが増えているんですよ。
終身保険って、死亡保険のことですよね。それで備えられるんですか?
ファイナンシャルプランナー
そうなんです。たとえば大学入学前に200万円が受け取れる学資保険の場合、保険料を払っている間に親(契約者)が亡くなったらその後の支払いがなくなり、かつ満期には200万円が受け取れますが、死亡保険金はありません。
一方の終身保険は、解約時にお金が戻ってくるうえ、もし親が亡くなったら死亡保険が受け取れます。解約のタイミングは自由に決められますので、大学入学前にかぎらず、高校受験前にお金を受け取ることもできるのです。
終身保険なら、お金を積み立てつつ、万が一にも備えられるということですね!
ファイナンシャルプランナー
終身保険を活用するポイントは、10年、15年など短い期間で保険料を払い込むことです。なぜなら、終身保険は払込期間終了後も解約せず契約を続けていると、少しずつお金が増えていく仕組みになっているからです。
中学生になると、塾代などの出費がかさみがちです。できればその前に保険の支払いを終えられるよう、10年払いなどに設定するのが理想です。
払い込み終了後、加入期間が長ければそのぶんお金も増えるのですか?
ファイナンシャルプランナー
原則的にはそうです。10歳で払い終えて18歳で解約するなら、8年の間にじわじわ増えていきます。教育資金として使わずに20年置いておけば、その間さらに増えることになります。
お得ですね!
ファイナンシャルプランナー
ただし、注意点もあります。まず、保険期間内に解約すると損してしまうこと。そして、短期間で払い込むぶん、保険料は高めになることです。10年間支払い続けられる保険料に設定することが大切です。
医療保険は「終身タイプ」が安心
加入中の保険も見直したいです。とくに妻の保険は掛け捨てばかりなので、もったいない気がしています。
ファイナンシャルプランナー
奥様の死亡保険は、更新のたびに保険料が上がるタイプですね。貯蓄性のある終身保険に変える手もありますが、ある程度の死亡保障をつけると保険料がかなり高くなります。
必要な保障は、産後、お仕事に復帰するかしないかなどによっても変わってきますので、いったんこのままにしておきましょう。
気になるのは定期医療保険です。人生の後半のほうが病気をしやすいですから、保障は期間を定めず、一生続く終身タイプにしたほうが安心ですね。
掛け捨ての医療保険は、定期から終身にしても月1000〜2000円のプラスですむ商品がほとんどですが、掛け捨てがもったいないとお感じなら、貯蓄性のある医療保険にしてもいいかもしれません。
貯蓄性がある医療保険だと、保険料は高くなりますか?
ファイナンシャルプランナー
月8,000〜10,000円くらいで加入できるものもあります。保険料は高くなりますが、保険を使わなければ保険料が戻ってくる仕組みですので、貯蓄しながら万が一に備えられる、と考えるといいかもしれません。
妊娠中は保険の加入が制限されますので、ご出産後に検討されるといいですね。
私の医療保険は終身タイプですが、このままで大丈夫そうですか?
ファイナンシャルプランナー
旦那様の終身医療保険は問題なさそうです。
がん保険に関しては、近年、がんは通院での治療が多くなってきていますので、通院でも給付が出るタイプの保険への乗り換えも検討してはいかがでしょう。
子どもが生まれたら、死亡保障の見直しは必須!
ファイナンシャルプランナー
お子さんが生まれますので、万が一の備えも見直しておきましょうか。
現在、旦那様の養老保険に500万円の死亡保障がついていますが、保障としては小さいです。
仮に、教育資金づくりとして終身保険に加入されたとしても、こちらも死亡保障は500万円程度。養老保険とあわせて1,000万円なので、やはり心もとない印象ですね。
我が家の場合、死亡保障はどれくらいあったほうが安心ですか?
ファイナンシャルプランナー
概算ですが、月の生活費が20万円であれば1年で240万円。お子さんが20歳になるまでの20年間だとしたら、4,800万円が必要になります。遺族年金が仮に2,000万円だとすると、4,800ー2,000ー1,000(養老保険と終身保険の死亡保障)=1,800万円が死亡保険などでカバーしたい金額になります。
1,800万円の死亡保障であれば、掛け捨てで月2,000〜4,000円の保険料で加入できるものもあります。
お子さんが20歳になるまで、または住宅を購入するまでなど期間を決めて、掛け捨てタイプの保険で備えてもいいかもしれませんね。
確かに大きな死亡保障が必要なのは子育て中ですね。検討してみます!
FPからの提案
加入中の保険 | 見直し後 | |||
---|---|---|---|---|
夫 | 養老保険 | 20,000円 | 養老保険 | 20,000円 |
終身医療保険 | 5,000円 | 終身医療保険 | 5,000円 | |
がん保険 | 3,000円 | がん保険 | 3,000円※1 | |
終身保険※2 | 30,000円 | |||
定期保険※3 | 3,000円 | |||
妻※7 | 更新型定期保険 | 3,000円 | 終身保険※4 | 3,000円 |
定期医療保険 | 1,000円 | 終身医療保険※5 | 8,000円 | |
がん保険 | 1,500円 | がん保険※6 | 3,000円 | |
合計 | 33,500円 | 合計 | 75,000円 |
※1 同程度の保険料で、通院給付金のあるものなどよりよい保障のものへ乗り換え
※2 学資保険の代わりとして、10年または15年短期払いの終身保険に加入
※3 死亡保障が1,800万円程度のものに加入
※4 更新定期保険から、終身保険へ乗り換え
※5 保険を使わなければ保険料が戻ってくる医療保険に乗り換え
※6 旦那様と同程度のよりよい保障のものへ乗り換え
※7 奥様の保険は出産後に乗り換え
見直しのポイント
- 教育資金は「終身保険の短期払い」で効率よく準備を。
- 医療保険は「終身タイプ」で備えるのが◎。
- 子どもが生まれたら、死亡保障は厚めの備えが吉。
妻が妊娠しました。生まれてくる子のために、学資保険を検討しています。