妊娠したら加入すべきおすすめの保険~生命保険と医療保険の適応範囲などを解説~
妊娠は病気ではありません。とはいえ、切迫早産、帝王切開などの異常分娩になるリスクもあります。そうなった場合には入院期間も長引きますし手術等の医療費が高額になるケースも少なくありません。
今回は、そうしたリスクに備えるために、妊娠したら加入すべき保険、妊娠に関する保険加入の時期などについて詳しく解説します。
妊娠がわかった後は保険加入が難しい
妊娠すれば健康な人と比べ、特に医療保険の加入は難しくなります。保険会社からすれば、健康な人よりどうしても給付金や保険金の支払いリスクが大きくなるからです。
生命保険会社にもよりますが、産前産後数か月は保険には加入できなかったり、加入できたとしても部位不担保(生命保険会社が決定した特定の臓器等の病気に対して一定期間保障が制限される)や特定疾病不担保(生命保険会社が決定した特定の病気に対して一定期間保障が制限される)という給付金支払いの制限が付くケースも少なくありません。
妊娠出産は病気ではないというものの、妊娠してからの生命保険の加入では制限が付く場合が多いのが実情です。
こうしたことから、生命保険に加入する場合は、可能な限り妊娠前に加入しておいた方が得策といえますし、結果的に支出の削減にもなります。
定期的な妊婦健診には助成金が適用
おなかの赤ちゃんのためにもお母さんの健康を保つことは非常に大切なことです。本来、妊婦さんの健康診査は自己負担となりますが、多くの自治体で検査費用の一部を助成する制度があります。
妊娠したら、まず、お住まいの市町村の保健福祉センター保健業務担当に連絡、その後、母子健康手帳の交付と併せて妊産婦健康診査受診票等の交付を受けます。
その受診票を使うことで、検査費用を助成金で賄うことができます。
妊婦健康診査受診票には、公費負担の対象となる検査項目が示されています。医療機関によって実施する検査項目の時期や診査内容が異なることがありますので、妊婦健康診査を受ける時は、医療機関に、どの時期にどの受診票を使うのがよいか相談してください。
自治体によって助成金の種類が違いますので、一度、ご自身がお住いの保険福祉センターもしくは市町村役場にお問い合わせください。
妊娠してからも加入できる医療保険
妊娠すると保険に加入できないケースが多くあります。妊娠27週目を超えている場合や過去5年以内に異常出産をしている場合などがそれにあたります。また、妊娠27週を超えていても加入できる保険はありますが、前述した通り、色々な給付制限がつく場合がほとんどです。
例えば、帝王切開を経験していると次の出産も帝王切開になると考えられます。その場合、妊娠していなくとも帝王切開の事実は生命保険加入時の告知書には記入は必要になり、部位不担保ないしは特定疾病不担保という制限がつくケースがほとんどではないでしょうか。
ただ、妊娠27週を超えても加入できる保険もいくつかあります。健康な妊婦さんだという条件のもとですが、34歳以下であれば、給付制限なしに加入できる保険も発売されています。(※異常分娩の可能性があったり双子以上の妊娠については給付制限がついたり、加入できない場合もあります。)
また、現在は緩和型の医療保険が多くの生命保険会社で販売されています。この場合、保険料金は高くなりますが告知事項がかなり簡単になっています。
ファイナンシャルプランナー(FP)などの保険のプロに相談してみるのもいいかもしれません。
妊娠前の保険の加入検討と保障内容
妊娠中に加入できる医療保険があるとはいえ、やはり、一般の方より審査は厳しくなるため、できれば妊娠前に加入しておくべきです。
現在の医療保険には様々な特約を付けることが可能です。全てを付ける必要はありませんが、妊婦さんもしくはその可能性ある女性は基本的な保障に加え、女性疾病特約加えることをおすすめします。そうすることで、例えば、帝王切開等の異常出産をした場合には、基本保障に加えて女性疾病特約からも給付され、手厚い保障が受けられます。
女性疾病特約というと女性特有の子宮や卵巣、乳腺または帝王切開、異常分娩等と思われがちですが、バセドウ病、慢性関節リウマチ、下肢静脈瘤、胆石症や腎結石、尿路結石をも女性疾病特約の病気としている保険会社もあります。
通常分娩では医療保険だけでなく健康保険も使えません。自己負担になることも同時に知っておく必要があります。生命保険に加入される際には、ご自身の生命保険や医療保険のことはもちろんのこと、これから生まれてくる赤ちゃんの今後のことも考えましょう。
出産後のことを考えてお金の準備を
赤ちゃんが大きくなりにつれ色々なお金が必要になってきます。とりわけ学資(教育費)は必ず考えておくべきです。
学資保険として加入するときに、ご自身の子供を被保険者として加入されることがまれにあります。それでは、ご両親が万が一の時に役に立ちません。この場合は、必ずご両親どちらかを被保険者として生命保険でなおかつ貯蓄性の高い商品に加入しておくべきです。そして、受取人をご自身の子供にしましょう。
そうすることで、ご両親に万が一のことが起きても子供が生命保険を受け取ることができ学資に充てることができます。
将来的なことも考えて貯蓄型の保険を選ぶ方も多くなっています。貯蓄型の保険にはいろいろな種類がありますが、基本的に終身保険がいいでしょう。終身保険でもたくさんの種類があります。大きく分けて円建てとドル建てがありますが、為替リスクがあるので注意が必要です。
各生命保険には支払い免除特約がある商品も多くなってきています。多くはガン、心疾患、脳疾患になれば保険料の支払いが免除される特約です。商品の中には三大疾病となれば死亡保険金が出る商品もあります。
当然のことながら、この様な特約を付けるとその分保険料金も高くなりますから、よく考えながらより自分自身にぴったりの生命保険に加入する必要があります。
このように、出産後には、将来のことを踏まえて、きちんとお金のことを考えておく必要があります。保険加入以外にも選択肢はたくさんありますので、一度、お金のプロに相談してみてはいかがでしょうか。